2016-07-22 夜のしゃぼん玉 濃い群青色に浮かぶ、 まあるい透けた虹色。 しゃぼん玉は彼の吐息を閉じ込めて、 ふわふわとんで、ぱちんとはじけた。 彼の見えない言葉と想いが、 ふうんわり、漂って、 夜のヒンヤリとした空気に とろり、と溶け込んだ。 きっと、そのときだけ、 ほんの数秒だけ、 あったかかったに違いない。 濃い群青色は、 わずかにキラリ輝いた。